氷帝ヒロインといつもの青学ヒロインが登場します。
シンデレラは眠れない*
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「心ここにあらず、でしょ?星野先輩」
「─え…!?」
思わず鳳くんの顔を見直してしまった。
「あたし、名前言ったっけ?」
「嫌ですよ、先輩。先輩はもうずっと男子テニス部の担当記者なんですから部員なら誰だって知ってますって」
鳳くんが小さく笑ってあたしを見た。
「あ…そういやそっか…」
あたしも気づいて照れ笑いを浮かべた時、目の端にあまり面白くない人物が映った。
「先輩?」
「しっ!あたしはいないって言って!」
慌ててスタンドのベンチの後ろにしゃがみ込み、姿を隠す。
「ねぇ鳳くん、ここに星野さんいなかった?」
「今話してたでしょ?」
運動部のジャージを着た女子生徒が数人鳳くんの前に駆け寄ると、自分達のすぐ真下のベンチに隠れているあたしの行方を口々に尋ねだした。
「…星野先輩ですか?今日はまだ見掛けていませんが?」
白々しく鳳くんが言ってくれる。
「ええ?見間違い?」
「そんなぁ、確かに星野さんだと思ったんだけど…」
「でも鳳くん誰かと話してたでしょ?」
今日はこの人達なかなか引かない。相手が鳳くんだから?
(困ったな…もう、早く行ってよ、お願い)
ベンチの裏でひたすら身を縮め、祈るような気持ちで鳳くんを見上げた。