乾汁の効用~密やかな午後~
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「…わかった」
跡部な手塚は、乾の話…は確信が持てないものの、実際に元に戻った不二と忍足のことを考えれば、二人と同じ足跡を辿る以外に今のところ策はあるまい、と結論を出した。
「手塚、俺様の身体を使わせてやるぜ。感謝しろよ」
手塚な跡部が跡部な手塚からラケットを受け取ると、ニヤリと笑った。
「……」
跡部な手塚はやはり手塚なので、寡黙である。眉を寄せ何かを考え込むようにコートへ向かう。
「ふふ…どう頑張っても手塚は手塚だよね」
「不二と一緒や」
「そう? 僕は結構、忍足侑士だったでしょ?」
にこやかに微笑みをたたえる不二に、どこがや…と忍足は思った。
(関西弁もよう話されへんで、どこが俺なん)
呆れた表情でチラリと不二を見たが、ため息をつくとその目は手塚な跡部を追った。
「手塚、遠慮はいらねぇ。存分に来な」
自信に満ちあふれた俺様な手塚は、コート内で跡部な手塚に対峙するとネットに近寄り、手招きで自分の身体を呼び寄せた。
「…何か用か?」
いぶかしがる跡部な手塚に、手塚な跡部は自信ありげに口を開いた。
「いいか手塚。始めに言っておくが、俺はてめぇの左肘が完治したかはわからねぇ」
「……!」
虚をつかれた跡部な手塚は、ハッとした表情を目に浮かべた。
「だが、それを苦慮する必要は何もねぇぜ?」
「……?」
何を…という、また考え込むような顔で手塚な跡部、つまり自分の姿をじっと見た。