乾汁の効用~密やかな午後~
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「そりゃ中身は忍足さんなんだし、違って当たり前っつーもんだ。ただ…」
「ただ?」
コート上で行き来するボールを、並んでお互い目で追う越前と桃城。その桃城の言葉に越前は、視線をボールから移した。
「樋熊の落とし合いやトリプルカウンターの応酬になったらどうなるか、じゃねーか? それぞれの身体が覚え込んでいるクセが、プラスになるかマイナスになるか、だ。わずかな狂いでもミスを誘うもんだしよ」
「そっすね…」
越前も考えた。
もし、自分と戦うことがあったら…どうなんだろう。
「ねぇ、君って何だかんだ言ってもやっぱりちゃんと鍛えてるんだね。身体の反応いいじゃない。僕より上背もあるしリーチも長いから、いつもより一歩早くボールに追いついちゃうよ、凄いや」
「え…」
ボールを打ち返しながらの思わぬ不二の言葉に、一瞬目を見開く忍足。
「いや、自分かてかなりやで。めっちゃ身体が軽いし、フットワークええよ。そら、いつもの感覚よりボールにラケット面が追いつかへんけど、脚力が言うこと聞くわ」
思わず褒め返すが、本音だ。体重差のある身体とはこんなにも違うものなのか。