乾汁の効用~密やかな午後~
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「フフ、だって七星ちゃんのつないだ手は僕の手だからね。自分に嫉妬してもしょうがないでしょ? 」
(………う…)
不二に言われ、思わず足が止まり、七星の手を引く自分のつもりでいた不二の手を見た。
確かに七星の手の感触は自分に伝わる…。しかし、実際にはこの手は不二の手だ。
(…複雑やんな…)
しかし、かと言って今さら手を離すのも不二に負けてしまったような気がして嫌だ。
「後で戻ったら、ちゃんともう一度七星ちゃんと手ぇつないだるわ」
開眼に任せて見開いた不二の目を借り、忍足が不二を思い切り睨んだ。
「へぇ…なかなかカッコいいじゃない、僕」
開眼した自分が睨みつけてくるなど、自分自身で直接見る機会はありはしない。
「ほな、俺の身体もカッコよう使てや」
皮肉混じりに忍足も言い返す。
「そう?じゃ…ひとつやってみるよ」
そう言うと、少し考えるようにしながら不二は立ちポーズを決めた。
「俺様の美技に酔いな!」
「………」
「………」
忍足と七星が、呆気に取られて不二のご満悦な決めポーズを見た。