乾汁の効用~密やかな午後~
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ここへ来る前に、あらかたの説明は七星から聞いた。
しかし、にわかには信じがたい。
人が入れ替わるだと…? それも俺の乾汁で…? 仮にもしそれが本当なら…
(面白いじゃないか)
乾は逆光越しのレンズの中で、好奇心にあふれ返った視線をたっぷりと、まずは忍足な不二へと注ぎ込んだ。
「……」
「どうしたんだ。不二にしては珍しいな。何もないのに開眼しているなんて」
(…う…。不二の笑顔って、一日中してなアカンの? 顔は疲れるし、視界も狭いんやけど…)
乾から逆光レンズで覗き込まれ、たじろぐ忍足。
思わず本家不二である忍足を見上げてしまう。
「何かな? 不二くん」
「…は」
不二はお前やん。つい口から出そうになる。
(乾に秘密にする意味あるんか? 元々乾汁のせいなんやで? )
大体やな、俺は『不二くん』やなんて呼ばへんやろ…。