乾汁の効用~密やかな午後~
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「…殴られたい?」
「…遠慮するわ」
例え殴られるのは不二の身体だとしても、痛さを感じるのは自分だから、ごめんである。
「…あ…そか、そやな…七星ちゃんやったら、俺かて替わってやりたいわ」
ふと、忍足も何かに気づいたように、空を見上げながらつぶやいた。
「フフ…でしょ?僕の身体で一日でもいいから、自由に走って欲しい…。僕の身体なんて壊れたって構わないから、好きなだけ走って跳んで、駆け回って欲しい…」
屋上の手すりに寄りかかると、不二も空を見上げて目を閉じた。まるで七星の自由に走る姿を、その瞳の中へ焼き付けておくかのように。
「参考のために聞きたいんやけど、もし七星ちゃんと実際入れ替わったとして、自分が七星ちゃんの間は何しとるん?」
探るように忍足は、チラリと不二を横目で見た。
「他校へ行って、彼女に気のある連中を片っ端から振り倒して来るよ」
にっこりと不二が笑う。えらく嬉しそうな表情である。