乾汁の効用~密やかな午後~
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「一緒に飲も」
不二先輩はそう言うと、キャップを開けてボトルに口をつけ、ひと口ふた口…と乾汁で喉を潤した。
「はいどうぞ、七星ちゃん」
あたしの目の前に、透明ボトルの中でユラユラと揺らめく乾汁が差し出された。不二先輩はニコニコと笑っている。
(…や、あの…『はいどうぞ』って言われましても、今はちょっと…)
飲む気はないんですけど…とあたしがどうしようか迷った矢先
「待てや、不二」
あたしに手渡そうとするペットボトルを遮(さえぎ)るように忍足さんの片手が伸びた。
「何かな?」
不二先輩が動きを止め、忍足さんに顔を向けた。
「自分、やらしいなぁ」
「何が?」
「…そのまま七星ちゃんが飲んだら…」
「飲んだら?」
「…間接キスやん」
「だね?」
「…計画的か?」
「当たり前、さぁ七星ちゃん」
にこーっと、不二先輩が微笑みながら一歩あたしに近づく。
「え…」
間接キスと聞かされて『頂きます』なんて言えるはずない。
「や…その、今は」
しどろもどろで言葉を濁しながら、一歩不二先輩から後ずさる。
「待てや不二」