乾汁の効用~密やかな午後~
空欄の場合は夢小説設定になります
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「あぁ、何やめっちゃまずうて、瀕死で病院に担ぎ込まれた奴もいてるそやないか?」
(…それはないと思うけど…)
あたしは、うさん臭げにペットボトルを眺め回す忍足さんを見ながら、不二先輩へもチラリと視線を向けた。
「ほんまにこれ、飲み物なん?」
「そうだよ。担ぎ込まれ云々…は今のところないけど、飲めないほどじゃないよ。むしろイケる方だと思うんだけど…ね、七星ちゃん」
疑う忍足さんに笑顔を向け、それから視線に答えるように、不二先輩は柔らかく微笑んであたしを見た。
「あ、はい。見た目は戸惑いますが、思ったよりは美味しいんですよ?」
あたしも正直に飲んだ感想を、まだ眉をひそめる忍足さんに伝えた。
「へ…え、これが…なぁ…」
忍足さんはまだ合点が行かないように、片手を顎に当ててじっとボトルを見ている。
確かにそれは、いきなり飲めと言われて飲めるものではないと思う。
抵抗があるのは事実。あたしだって最初は、色と見た目にのけぞった。
「君が飲まないなら僕が頂くよ?七星ちゃん一緒に飲まない?」
不二先輩が忍足さんからボトルを取ると、キャップを外しながらあたしに微笑みかけた。