乾汁の効用~密やかな午後~
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「そう?…僕はもう少しここにいるよ。それじゃ…ね」
不二はいつもの柔らかい微笑みを仁王に向けると、小さく手を振った。
「あぁ、またな。次は練習試合じゃけぇ気を抜いたらいかんぜよ」
仁王も肩越しに振り返ると軽く手を振り、屋上出入り口のドアを開けると静かに立ち去った。
「ほな、七星ちゃん、帰ろか?」
「…は…?」
気がつけば、ちゃっかりと忍足が七星の腕を取っている。
「いえあたしは…」
「あー、他校生は抜けがけ禁止!」
素早く菊丸が二人めがけて駆け出し
「勝手なことしちゃいけねーな」
桃城もダッシュを切り
「あ、おい。騒ぎはまずいぞ」
大石はあくまで副部長の立場で追いかけた。
「あーっ!何やあれはっ!立海の幸村があんな所であんなことを!!ヤバいやん!」
「えーっ!?」
取り囲まれる寸前、忍足はあらぬ方向を指差すと素頓狂な声を上げ、その場にいた全員の視線をそちらに集めるや否や七星の手を勢いよく引っ張り、あっと言う間にその姿をかき消した。
「うっわーやられたーっ!」
「忍足の野郎~」
駿足揃いのテニス部員達も不意打ちの出遅れは響き、七星と忍足に追いつけなかった。