乾汁の効用~密やかな午後~
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「おっと…はら、七星ちゃんやん。お久~」
「…え…?」
部室の扉を開けたら、なぜか氷帝の忍足さんがそこにいた。
「忍足…?何か用か」
部長の手塚がすぐに気づき、七星と忍足の元へ割って入るかのように大股で駈けるように近寄った。
「うちの跡部からや」
そう言うと忍足は、鞄から一通の封書を取り出し手塚に見せ、
「練習試合の件で何ちゃらかんちゃら言うてたで」
まるで他人事のように軽く言うと、眼鏡のフレームをかすかに反射させ、レンズの奥で薄く笑う。
「へぇ…今日は他校日和だね。さっきの立海に続いて氷帝だよ。まさかルドルフや山吹まで来ないよね」
菊丸が手塚と忍足のやり取りを覗き込むように見てから、半分おどけるように他の部員達を振り返るとそう言った。
「まぁ、たまたまだろうけどな。偶然だよ」
「いーんじゃねーの?どうせならまとめて来た方が」
「まぁ別に試合に来たわけではないからな」
「ウザいっス…」
大石、桃城、乾、越前…と勝手に言いたいことを述べまくりだ。
「それじゃ、俺はこれで帰るとするぜよ」
屋上で不二と何を話すでもなく、ただ夕暮れの風に身を任せてぼんやりと時間を過ごした仁王が、ようやく口を開いて不二を見た。