乾汁の効用~密やかな午後~
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「乾、ダメだよ!さっきの不二見たでしょ!七星ちゃんがあんなになってもいいっての!」
菊丸が勢いよく席を立ち、乾に噛みつく。
「そうだぞ、乾。そんな不確かな物を彼女に…」
散々な目に遭った大石も乾に詰め寄る。
「没収だ、乾。早くそれをこちらに…」
手塚もやや険しい表情を乾に向けると、ペットボトルを受け取るための手を差し出した。
「チッチッチッ」
逆光眼鏡をツッと指先で軽く押し上げると、乾はその指を左右に振った。
「…さっき不二は何をした?」
詰め寄る菊丸、大石、手塚達を物ともせず、ニンマリと口の端で笑うと小声で囁いた。
「…え?…手塚と俺に迫って…」
「…あ」
「…なるほど」
「…そかそか」
「…いーんじゃねーの?」
口々に部員達は何やら納得してニヤついていく。
「ほい、決定。七星ちゃん、やっぱり君はそれは飲むべきだよ、うん。何なら今ここでグッと一気に飲んでもいいよん」
「…え…?…はぁ?」
突然菊丸が態度を変えた。しかもにこにこと嬉しそうに七星に乾汁を奨める。
「え…いえ…今…飲むつもりは…」
(何なの急にみんな…)
思わず部員達の怪しい勢いに後退りしながら、七星は部室のドアを開けた。