乾汁の効用~密やかな午後~
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「ふぅん…これはもしかして…」
乾がデータブックを片手に満足気な表情を浮かべると、眼鏡の反射は好奇心のためか、いつにも増して乾のシルエットを際立たせた。
「…先輩…これってやっぱさっきの新作乾汁の副作用っスか…?」
「ふっ…不二ー!やめてよー!うわ~~~!」
菊丸が不二から逃れようと絶叫する中、越前が乾に真相を聞こうと近づいた。
「さぁ…?確かに不二は俺の新作乾汁を飲んだけど、イコールこれって結論は出せないだろう?」
「…そりゃまぁ…そうだけど…」
少々不服ではあるが、肝心の乾にそう言われては、越前も返す言葉をなくしてしまった。
「やめないか、不二。どうしたんだよ、お前急におかしい…」
よせばいいのに、菊丸救出に大石が割って入ると、案の定次なる不二のターゲットは大石に向けられた。
「大石も蠱惑(こわく)的だよね。その理解し難い、有り得ないほど個性的なヘアスタイル。水泳帽だかゆで卵だかわからないけど、たまにそのわずかな前髪を引っ張ってどうにかしたくなるよね…?」
「不二…」
大石もゴクリと生唾を飲み込むと後退りを始めた。
先ほどまでは、手塚や菊丸に愛だの好きだの言っていたのに、この自分に対しての不二の冷笑さは何だろう…。