乾汁の効用~密やかな午後~
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「新作のドリンクだ。夏の爽やかさをイメージしてトロピカルな感じに仕上げてみたんだが…」
テニス部の部室に手伝いに来ていた七星の前に、開発No.WX005が注がれた紙コップが、乾の手によって置かれた。
「夏…?」
「爽やか…?」
「乾…これトロピカルじゃなくて…泥光る…」
「七星ちゃん、ダメだよ!こんなの飲んじゃ」
口々に青学テニス部レギュラー陣が止めに入る。
「え…でも」
爽やか…は置いといて、アイスココアに見える新作乾汁は、ちょっと美味しそうに思えたから
(せっかくのお勧めだし…)
あたしは紙コップに手を伸ばした。
「あ、喉渇いてたんだ。先にいいかな?」
爽やかな明るい声と共に、七星より早く後ろから手が伸びると、その人物は紙コップを掴み、一気に新作乾汁を飲み干した。
「さすが不二だね」
「何で飲めるんスか?」
部員が感心、もしくは呆れる中、不二が紙コップを乾に返しながら聞いた。
「…乾、何入れた…?」
「…秘密」
「…ふぅん、なるほど」
「…データ変更…かな」
「さぁ、どうかな?…でも…クス…悪い気分じゃないね」
…目を開いて不二が笑った。
それにつれ…部員達が無言で不二の周りから後退りを始めた。