月光小夜曲*
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あたしは青学1年、高寺七星。
星が好きで天文同好会に所属している。
…でも本当は、陸上の選手になって、オリンピックに出たかった…。
短距離の世界記録を出したかった…。
夢は一年前に消えた…。
一台の車があたしも夢も…全てを押し潰した…。
青学テニス部テニスコート──
ある日の放課後、あたしはフェンスの後ろから練習を見ていた。
フェンスの前にはベンチがあって、レギュラーメンバーの人が、順番待ちをしている。
「あ、七星ちゃんだ。見に来てくれたんだ。嬉しいな~」
菊丸先輩が、人懐こそうな笑顔を浮かべると、こちらに体を向けて話しかけてくる。
「あ、はい…」
あたしは、少し遠慮がちに返事をする。
「飲むか?」
乾先輩が、特製の乾汁をあたしに見せる。
「い…いえ今は喉、乾いてませんから大丈夫です」
にこやかにお断りする。
テニス部員でも何でもないのに、いつの間にかテニス部の先輩達は、あたしに気軽に声をかけてくれる…。
ひとつ先のベンチには手塚先輩がいて、眼光鋭くコートを見ている。