水色の恋…白雪姫*
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「どどどどうしよう」
プログラム変更で白雪姫が、急遽決まった生徒会とテニス部の演目の間に挟まれると知らされ、出演者一同が焦りに焦る。
「しかもジョイントって、観たいんですけど」
「でもさ、白雪姫の時だけ席外されたら、なんかショックだね」
「それはナイナイ、大丈夫」
「え、なんで?」
「今体育館見てきたら人でぎっしり! あれで席から離れたら、立ち見の人にすぐ座られちゃう」
「……」
「渚さん? 大丈夫?」
人でぎっしりとか急に凄いプレッシャーなんだけど、関係ないのに代役までやってくれる七星さんに心配かけたくない。
「き、緊張しちゃって」
「あ、それはあたしも一緒です」
ごまかそうと浮かべた張りついたような笑いも、七星さんの柔らかい微笑みにふんわりと溶けた気がする。
「よう、白雪姫のクラスはここか? そろそろスタンバってくれ。時間だ」
「跡部さん?」
「ええ! 氷帝の?」
「ひゃ~」
出演者が一斉にざわついて色めき立った。
「ほう、お前が白雪姫か。なかなか可愛いじゃねえか」
びっくりした。跡部さんが私の目の前で笑っている。
「それじゃあ、エスコートしねえわけにはいかねえな。どうぞ、お姫様」
うやうやしくお辞儀をして私に手を差し伸べた跡部さんは、まさしく王子様そのものだ。
「ぎゃー渚! 役得!」
「跡部さん、カッコいいー!」
廊下に出て、跡部さんにエスコートされたまま体育館に向かうまでの道のりが、私の人生で最高の時間だったと言ってもいいくらい幸せだった。