何も言えなくて…人魚姫の恋
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「何だ、それなら海堂くんはあたしが引き受けてもいいわよ」
「え…」
藤田に、帰る相手がダブってしまったことを告げると、あっさりと心強い言葉が返って来た。
「ま、海堂くんもあたしが相手じゃ面白くもないだろうけど…後で埋め合わせはしてやんなさいよ? 」
「あ…はい、それは…」
藤田にやんわりと忠告されたが、七星には『埋め合わせ』の意味合いが今ひとつ飲み込めずにいた。
海堂の淡いほのかな想い…鈍さ満点の七星には届く方が奇跡なのかもしれない。
(端からは丸わかりなんだけどな…)
折り紙を続ける七星の手元を見ながら、藤田は思った。
「…んでお前なんだよ」
ギロリ、と部活の終わった海堂薫がなぜか自分を迎えに来た藤田を睨んだ。