何も言えなくて…人魚姫の恋
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不満そうに口をとがらせて菊丸が不二に言った。
「クッキーならありますよ」
持っていたスクールバッグを部室の床に置くと七星はその場にしゃがみ込み、ファスナーを開けいくつかの包みを取り出した。
「七星ちゃんのクッキー!?」
菊丸が目を見開いて歓喜の声を上げると同時に、七星の掌にあったいくつかの包みは、あっと言う間に菊丸の手に移動していた。
「…素早いっスね、先輩」
呆れた声と羨望の混じった視線を菊丸に向ける越前。
「………」
ロッカーに手をかけ、片方の眉を吊り上げ、張りついたような表情で菊丸の手を凝視する海堂。
「………」
着替えが途中のまま、無意識に七星を見つめる手塚。
「………」
腕を組み軽くあごに片手の指先を添え、何やら思うところあり、な不二。
「………」
目が点になり、いつの間にやら空になった自分の掌を見つめる七星。
「ひゃっほい!」
クッキーの包みを手に、わざとらしいほど得意満面で、海堂の周りを小躍りしながら見せびらかす菊丸。