何も言えなくて…人魚姫の恋
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「海堂先輩、お待たせしました」
青学テニス部レギュラー陣に追いつめられ、袋のねずみ状態になっていた海堂を明るい声が呼んだ。
「…え…」
海堂は元より全員が声の主を見た。
「七星ちゃん…」
「あれ…甘い香りがする…」
いち早く七星がまとって来た香りに菊丸が気づくと、素早く七星の前に駆け寄った。
「七星ちゃん!クッキー持ってるの!?」
鼻をひくつかせ、目を輝かせると菊丸は、再び七星のブラウスの胸元にフンフンと顔を近づけ匂いの源を探り出そうと嗅ぎ回った。
「えっ…あのっ、先ぱ…」
「こら英二。それじゃ犬でしょ、七星ちゃんも困ってるよ?」
やんわりと不二が、菊丸の背後から声をかけたが、声の優しさとは正反対に、その行動は菊丸の襟首を掴むと同時に後ろに引いていた。
「ぐひぇ…不二ぃ~苦ひぃ…」
「フフ…おいたはダメだよ、英二」
不二が手を離すと、締まった喉をさすりながら菊丸が不満そうに不二を睨んだ。
「俺はただ、七星ちゃんがクッキーを持ってるのかどうか、知りたかっただけだかんね」