何も言えなくて…人魚姫の恋
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「…手塚、君クッキーの香りがするね?」
「…え…?」
何気なく手塚に近づいた不二が再び意味ありげ笑うと、明らかに手塚は顔に狼狽の色を浮かべた。
「えっ?何?何~手塚までクッキー?」
不二の言葉に反応した菊丸が素早く手塚にまとわりつくと、フンフンと犬のようにかぎまわる。
「ホントだ!甘い匂いがするよ!手塚」
菊丸がまとわりついたまま、手塚の両腕を握り込むと『頂戴』と言いたげにニンマリと笑顔を浮かべて手塚の視線を捕える。
「すまない…生徒会でつまんだ物なんだ。だから、何も持っていない」
すまなさそうに菊丸を見下ろして手塚は…嘘をついた。
「なぁーんだ。ガッカリ」
菊丸も、まさか手塚が七星からクッキーの残りを貰っているとは思いもよらず、渋々と離れる。
「何してるんすか、俺のロッカーで…」
いい加減越前との打ち合いに嫌気のさした海堂が、いつまでたっても先輩達がコートに戻って来ないので部室を覗き眉根を寄せる。
「ああ、何でもないよ海堂。ゴキブリを追い詰めてたんだ」
にこやかに眼鏡のレンズを光らせると乾が海堂のロッカーの扉を閉めた。