何も言えなくて…人魚姫の恋
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「…七星ちゃんのクッキーを海堂の独り占めにさせていいと思う?」
チラ…と菊丸が不二を見る。
「そうだねぇ…通常なら皆で分けるけど…七星ちゃんって固有名詞がついちゃうと、心って急に狭くなるよね?」
口許に手を添えると、意味深に不二も笑う。
「ほい!んじゃ決定。只今よりロッカーの一斉点検を開始致しまーすっ!」
菊丸がまるで選手宣誓のように片手を挙げて立ち上がると、素早くロッカーに駆け寄り『海堂薫』と書かれた扉を勢いよく開けた。
「何をしている?休憩にしては、部室に集まりすぎじゃないか?」
部長の手塚が海堂のロッカー前にたむろっている部員達に、やや不審な視線を投げかけながら部室に入って来た。
「手塚!? 今日は生徒会なんじゃ…」
副部長の大石もやや焦って、ロッカーに近づく手塚に声をかける。
「…早く片付いた」
こともなげに答えると、手塚も自分のロッカーの扉を開ける。
「…そこは海堂のロッカーじゃないのか…?」
ジャージに着替えようとシャツのボタンを外しかけるが、レギュラー部員のほとんどが海堂のロッカー前にいることに、今度はかなり不審な視線を投げた。