何も言えなくて…人魚姫の恋
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「気になる人…ですか?」
七星は考える。
身近な男子…同級生や先輩達の顔が次々現れては消え…。
いるような、いないような……。
結局わからない。
「ふふ…凄いなぁ。悩むほど気になる人がいるんだ?」
「え…ち、違いますよ、先輩。気になる人かどうか、今思い返していたんです」
含み笑いをして七星を見る藤田に対して、弁解しようとしたが
「だよね、高寺さん可愛いから、引く手あまただもの。言い寄られて悩んじゃうよね?」
逆に皮肉っぽく言われてしまった。
「別にね、あなたに意地悪したいわけじゃないんだ。物語のお姫様は、結局誰が一番幸せだったんだろう…ってのが、今の私の気になるところ…なわけ」
藤田はそう言うと軽く笑った。
「物語の…ですか?」
「そう、いわゆる『童話』と呼ばれる本の中のプリンセス。シンデレラや白雪姫達よ」
少しだけ、夢見るような眼差しを宙に向けてから、藤田は七星に改めて視線を送った。