何も言えなくて…人魚姫の恋
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「あら、高寺さん」
手塚が図書室を後にしてから、折り紙を再開していた七星に藤田が声をかけた。
「藤田先輩」
七星も手を止め、自分のテーブルの向かいに腰を下ろす藤田に視線を預ける。
「先輩も折り紙ですか?」
藤田の開いたノートに幾枚かの折り紙が挟まれているのが見える。
「あぁ、ちょっとね」
と、七星にくじびきの話を説明して、苦肉の策よ、苦笑いを浮かべた。
「でもそれは…何だか楽しそうです」
雨の中、手伝った海堂のことも聞くと
(やっぱり海堂先輩って優しいんだな…)
自分の仕事も手伝ってくれた時の姿を思い出し、自然と顔がほころんでいく。
「………」
海堂の話題で微笑む七星を見た藤田は
「高寺さんてさ、好きな人いるの?」
「え……」
唐突に聞かれ、やや戸惑うが
「今はいません」
正直に答えた。
「ふぅん…今は…ね。じゃあ、気になる人は?」
興味があるのか、さらに藤田は尋ねる。