何も言えなくて…人魚姫の恋
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「…海堂を…好きなのか…?」
絞り出すようにしてもう一度手塚は聞いた。
「…え…あ、あの…」
七星はどうしてそこへ話が飛ぶのかわけがわからず、困惑した顔で手塚を見上げると
「海堂先輩と帰るのは…結果を見届けるためです。本当は迷惑をかけたくはないんですが…」
挙動不審者のように落ち着きのない視線を泳がせる。
「…何の話だ…?」
今度は手塚が眉をひそめ、把握出来ない話に首をひねる。
「あの、実行委員会のお手伝いを海堂先輩がして下さったので、お礼に家庭科の時間に焼いたクッキーを差し上げたんです」
「………」
手塚には何もかもが、初めて聞くことばかりで、焦燥感に包まれてしまう。
「海堂が手伝いを…」
「え…ええ、昼休みに…」
七星は、海堂が手塚を上手くやり過ごして、プリントを実行委員に手渡したことを知らない。
「…それで、丁度家庭科で調理実習でしたから、お礼に…と思ったんですが、あたしって壊滅的に料理が苦手なんです」
またうつむくと、つぶやくような小声で手塚に告げた。