何も言えなくて…人魚姫の恋
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「海堂先輩!」
部活の始まり出した頃、支度を終えた海堂の耳に馴染んだ声が届いた。
「高寺…」
部室の入り口に息をはずませて七星がひょっこりと顔を覗かせた。
七星が海堂を呼ぶ…それは初めてのことだ。
青学男子テニス部員達の支度していた手が一斉に止まる。
「これ…!」
七星の小さめの掌にリボンで結ばれラッピングされたプレゼントらしき物が乗っている。
「海堂の誕生日は!?」
「5月だ!」
「今じゃねーじゃんっ!」
「じゃ何で七星ちゃんが!」
「知るかよ~!」
「まさか海堂が告白して…」
「七星ちゃんがOKしたとか…」
「ありえねーありえねーよ」
部室ロッカーの陰で、雀の群れのように騒ぎまくる男子部員達。
「家庭科の時間に焼いたクッキーです。あの…実行委員会のお手伝いして頂いたお礼なんです」
少し照れたようにはにかむと、七星は頭を下げて礼をした。