何も言えなくて…人魚姫の恋
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「だから、俺は部活優先だから出ねぇって」
しかめっ面で藤田を睨みつけた。
「あら、王子様は関さんよ」
藤田はノートに記入しながら笑って言った。
「関…」
俺は、クラスでも可愛い部類に入るクラス委員の名前を頭に浮かべた…が、それだけだ。
誰が王子でも、クラゲでも関係ねぇ。
「つまらなそうね…他の男子なら小躍りして喜ぶとこなのに」
藤田は、次に俺が渡した赤い折り紙を広げながら言った。
「…あぁ…そうか、海堂くんは高寺さんだっけね」
藤田は表情を出さずに、ノートを腕に抱えながら、名前を記入する。
「違ぇよ。誤解すんな」
俺は次にオレンジ色の折り紙を拾った。
…実際、俺は自分が高寺を好きかどうかなんて、考えたこともねぇ。
アイツは…部員でもないのに気がついたら、いつもテニス部の近くにいる。
あの小生意気な越前と同じに小さいくせにやたら人の目を惹く。
そして…やたらモテやがる…。
…何だか、考えるだけつまらねぇ。
俺は上を向いて大きく息を吐いた……チッ、雨まで目に入るんじゃねーよ。