何も言えなくて…人魚姫の恋
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「…5時間目すぐだろ?何で上に来るんだ?」
間もなく本鈴が鳴る。
焦った七星も
「海堂先輩手伝って下さって本当にありがとうございました!助かりました。また改めてお礼に伺います!」
早口に海堂に礼を述べると頭をピョコンと下げ、自分の教室へ向かうため、足早に階段を駆け降りた。
「あ、あぁ。いや構わねぇから」
海堂もつられて早口に答えると、階段を駆け降りて行く七星が転ばないかどうか心配になり、姿が見えなくなり、やがて足音も消えるまで、手すりから身を乗り出すように見送った。
「ふぅん…海堂くんは、高寺さんが好きなんだ?」
まだ身を乗り出したままの海堂の背後から不意に藤田が声をかけた。
「ち…違ぇよ!勝手に勘繰るんじゃねえよ」
少し赤くなり、『らしくねぇ』…と心で叫ぶと否定して、
「で…最初の質問だ」
海堂はいつも以上に、藤田を睨んだ。
「それなら自習ですって。だから私は時間内に配役決めちゃおう…って思ったのよ」
藤田が言う通り、手には例の小袋が下げられている。