何も言えなくて…人魚姫の恋
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その時、昼休み終了のチャイムが鳴り始めた。
「じゃ、そう言うわけっすから先輩方、失礼します」
軽く一礼すると、海堂は七星の手を引っ張り、3年の教室前を、飛ぶような勢いで通り過ぎた。
「か、海堂先輩、待って…きゃっ…」
階段の途中でつまづいて、転がり落ちるところだった七星は、海堂の背中にぶつかる形で難を逃れた。
「痛っ…!」
しかし思い切り鼻をぶつけたようだ。
「あっ悪い!高寺!」
焦って海堂は振り返ったが、七星が2段上から
体を斜めにして必死に自分の背中にしがみついているのを知り、あわててそのままの体勢から階段を一段昇った。
「あ…ありがとうございます!」
「や、違ぇ、俺が焦ってたから…すまねぇ」
ホッと一息ついた七星に、頬を上気させた海堂が頭を掻いて何度も謝る。
「へぇ…なかなかやるじゃん、海堂くんてば」
「藤田!」
「藤田先輩!? 」