何も言えなくて…人魚姫の恋
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「あ…」
すみません、とひと言を海堂にかけたかったのに…と七星は思った。
(あたしの仕事なんだから、海堂先輩をわずらわせないようにしなきゃ)
最初重かったプリントの束も、もうわずかな軽い物へと変わっている。
みんな海堂のお陰だ。
(よし…!)
あたしも気合いを入れると、10組の実行委員を呼んで貰った。
「あれ…?」
「不二、どしたの?」
廊下に視線を向けた不二に、菊丸もつられて目線を移動させた。
「今、廊下を海堂が走って行った」
「…え? 何で?」
「さぁ、それはわからないよ。海堂だってたまには、3年の教室に用事もあるでしょ…。でも1組の方向だから手塚に用かな…?」
「にゃは、きっとそうだよ」
頭の後ろで手を組むと、ニカッと笑い不二に同意した。
(…ここも居るな)
手塚も乾同様、一人読書に耽(ふけ)っている。
(その方が、気づかれずにやれる)
先ほどと同じに、一番近い先輩に声をかけて頼む。
そして、2組に大石の姿はなく、4組の河村は友人達とふざけていた。