何も言えなくて…人魚姫の恋
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「フケんなよな~!次、桃城の番だぜぇ」
桃城が二人を追って、廊下に出ようとした時、ゲームをしていた連中が桃城の腕を掴み、グイグイと教室内に引き戻した。
「……つ…!!」
無念そうに振り返るが、そこには桃城をニヤニヤと見ている悪友の顔しかなかった。
「さて…」
3年11組の後ろ側の扉から、素早く中の様子を窺った海堂は
(…ち、居やがるぜ…。昼休みなんだからどっか行けよな…)
と思うが、あいにくと今日は雨。ほとんどの生徒が教室内に居る。
「高寺、そこに居ろよ」
七星を教室内から見えない位置に立たせると、自分の机で本を読んでいる乾ではなく、扉から一番近い場所に居る先輩に小声で声をかけ、手早く用事を済ませた。
「よし…」
乾に気づかれずに事を進めた海堂は、
「10組から7組までは高寺が配れ。6組から残りは俺がやる」
そう言って七星から離れると、まず1組から…と部活のダッシュより速く廊下の奥へ駆け出した。