何も言えなくて…人魚姫の恋
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「さっき、俺のクラス覗いたろ?丁度藤田と話してたんだが、俺に気がつかなかったみてぇだな」
「あ…ごめんなさい、藤田先輩しか見てなくて…それで…」
申し訳ない…という表情(かお)を海堂に見せると、あわててぺこりと頭を下げる。
「いや、構わねぇよ。んなこたぁ…プリント落とさねぇように必死に抱えてて、藤田見つけるので、手一杯だったろ?」
海堂にしては、優しげな目付きで七星を見下ろす。
「あ…はい。ありがとうございます、海堂先輩…。ホント言うと…重くて大変だったんです。助かりました」
思いがけない海堂の言葉に、嬉しそうな笑顔を浮かべると、そのまま海堂を見上げた。
「や…別に…顔見知りだしな」
少し照れたような顔で、あわてて視線を逸らせ
「しかし、お前だけなのか? こんな配達やらされてんのは…」
また元の険しい顔付きに戻って七星を見た。