何も言えなくて…人魚姫の恋
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「─何で俺…!?」
俺は驚くと同時に、いぶかしげに藤田の顔を横目で睨んだ。
「俺はテニス部だから、そっち優先だぜ? クラスの出し物は部活してねぇ奴がやるもんじゃねぇのか?」
「あら、学祭の規約は知ってるんだ? じゃ、なぜHRの時、私が部活してる人…って聞いたのに挙手しなかったのかな?」
藤田がニヤリと笑った。
「…………」
だから、HRなんざ聞いちゃいねぇって…。
「藤田先輩」
聞き覚えのある声が、教室の後ろ側の入り口から藤田を呼んだ。
「高寺…」
「あら、高寺さん。どうしたの?何か用事?」
藤田は、俺の机から離れると、入り口の高寺に笑いかけた。
「はい、実行委員長の都合で、今日の委員会はないそうです。それで、プリントだけ渡しに来ました」
高寺はそう言うと、腕に抱えたかなり厚みのあるプリントの束から一部を取り出し、藤田に手渡した。