何も言えなくて…人魚姫の恋
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『四ッ谷怪談』
『青ひげ』
『ツタンカーメンの呪い』
『本当にあった怖い話』
「……藤田、お前どーゆー趣味だ…?」
「あ、それ?ほんの悪戯心。非協力的なクラスに対するささやかな抵抗…なのに海堂くんたら、まともな物引くんだもん。つまらないわ」
本当につまらなそうな顔をすると、藤田はもうひとつの袋を指差した。
「次は配役よ」
袋に手を入れかけて、あることに気づいた。
「男女別じゃないのか?」
藤田は笑った。
「いっしょくたよ。配役の男女差なんて関係ないわ。文句は言わない取り決めだしね」
「…男の人魚姫か…?」
「ありね。女の王子も。その方が面白いわよ」
遠慮しながら聞いた俺を嘲(あざけ)るように藤田は言った。
「さ、引いて。まずは主役よ。人魚姫」
「……」
俺は、袋に入れた指先に触った紙を引き上げ、藤田に渡した。
「あーら、いい感じ」
くく…と笑いながら藤田が広げた折り紙には
『海堂薫』と書いてあった。