何も言えなくて…人魚姫の恋
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「はい、海堂くん引いて」
「あ?何だ…それ」
「やだな、聞いてなかった?くじびきよ。学祭のクラス劇。もう、皆面倒くさがって、何から何まで全部くじびき…って、それだけ朝のHRで決まったじゃない」
昼休み、弁当を食い終わったばかりの俺の机に、二つの小さい紙袋を置くと、学園祭実行委員の藤田は言った。
「…それで、何で俺が引くんだよ」
俺は、紙袋と藤田を見比べた。もちろん朝のHRなんざ聞いちゃいねぇ。
「今日の日付の出席番号が、海堂くんなの。悪いけど、責任の半分引き受けて貰うわよ」
「責任…だと?」
俺は、思いっ切り胡散臭げな目付きで藤田を見上げた。
「そうよ。皆、決まったら文句は言わない…何て言ってたけど、決まれば決まったで、絶対文句言うんだから。あ…でも海堂くんに睨まれたら誰も文句は言わないか。助かるな、それ」
あはは…と、藤田お前、笑ってるが…俺、今お前を睨んでるんだぜ?
俺が睨んだって効果なんてねぇじゃねぇかよ…。俺はいつものように息を吐いた…。