シャッターチャンスは一度だけ*
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「あ…入院中、祖父があたしを撮りまくったんですよ。『こんな状況から這い上がったんだぞ』…って言うのを将来の励みにしろ…って」
無茶苦茶ですよね…と君は笑うけど…。
笑えるまで、どれだけ涙を流したんだろう…。
「包帯だらけの孫…普通なら可哀想…て言うか、撮らないですよね?先輩」
君はちょっと憤慨して、僕に聞く。すねている君も、僕には可愛い。
「普通はそうだよね」
僕も同意した。
「しかもほとんど聴覚しか機能しませんでしたから…頼るのは音だけ…」
その時のことを思い出しているのか、君は、す…と瞼を閉じた…。
長い睫毛が…綺麗だ…。
僕は君の横顔に見とれる…。
「祖父がカメラを交換するたびに機種を教えてくれましたから、そのうちシャッターメロディだけで、どのカメラかわかるようになったんです」
君は目をパチリ…と開けた。
「七星ちゃん、ちょっと僕を見て」
「はい…?」
君は、ちょっと小首をかしげて僕を見た。
今…君の瞳に僕が写る。僕一人が…君のレンズに写る…。