シャッターチャンスは一度だけ*
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『辛味堂』
激辛ラーメンのある中華料理店だ。─普通、女の子は連れて来ないんだけどね。
君は僕を知ってるから、つき合ってくれる。
君は普通のラーメンを頼む。
君を見ていると、何をやっても可愛いよね。
ちょっと髪をかき上げる仕草も、他愛もない話題に頷いたり、笑ったりする姿も、僕に悦びを与えてくれる…。
君が、割り箸を割る。
右手で箸を持つ─
「あれ…七星ちゃんって、越前と同じ左利きじゃなかったの?」
「右ですよ?」
君は、なぜ?と言うような顔をする。
「え…でもほら、僕との試合で左でツイストサーブ打ったし、右手と変わらない強さだったよ?」
僕は少し焦った。
「…リハビリの成果なんです」
君はちょっと、下を向いた。
「え…」
「事故の後、右手の回復がかなり遅かったんですよ。だから…必然的に先に動くようになった左手で、何もかもやらなければいけなかったんです。それで両手が利くようになったんです…」
君は、説明するとひと息ついた。
「君は…頑張ったんだね、凄いよ」
僕は君に微笑みを向けた。
「はい、あたしも自分でそう思います」
君の笑顔は、いつもより輝いた。