夏の幻*
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先に喫茶店から出て行く二人を、窓から見送りました。
出口から跡部様の車までのわずかな距離…。
跡部様は大切なものを扱うように、七星さんをエスコートしていく…。
ちょっと視界が滲(にじ)んでボヤけたけど…車が見えなくなるまで見続けた。
「お兄ちゃん、私、失恋しちゃった」
家に戻ると、真っ先にお兄ちゃんに報告しました。
「ええ!?誰だよ!俺の可愛い妹を振るバカは」
お兄ちゃんが怒って椅子から立ち上がると、いきなりラケットを握る。
「テニスやってる奴なら俺のラケットで粉にしてやる!」
(…跡部様だから…お兄ちゃんが粉にされるかも…)
「いいんだ、お兄ちゃん。私、もうサッパリしてるから。それより、七星さんて素敵な人だよね」
「あ、ああ…」
お兄ちゃん、ちょっと戸惑ったけど、懐かしむような笑顔を浮かべた。
きっとお兄ちゃん…これからも七星さんを、変わらずに好きだと思う。
私が跡部様を好きなように……。
「私ね、お兄ちゃんの妹でよかった」
「何だ、急に」
お兄ちゃん、照れ笑い。
「だってラッキーだもん」
ふふ…と最高の笑顔で、お兄ちゃんに言いました。
fin.