夏の幻*
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(停電…)
真っ暗になったとたん、ザーッと、滝の流れのような雨音が耳につく。
(先輩…?)
停電の暗闇の中で、じっと抱きしめられ…不二先輩は、何も言わなくなった。
『七星!大丈夫か?』
いきなりドアが開くと、息を弾ませた手塚先輩が、入り口に現れた。
(ええ?手塚先輩!?ちょ…不二先輩、離して下さい)
あたしは内心焦りまくる。こんな…抱きしめられてるところなんて…大誤解間違いなし…って、その前に恥ずかしいから、早く離して下さい!不二先輩~。
あたしは不二先輩の腕の中でジタバタした。
『遅いね、手塚。生徒会室からここまで、そんなに時間かけちゃダメだよ』
不二先輩は、あたしを離さないまま手塚先輩に、多分いつもの笑顔を向けたに違いない。
『不二…何してる…』
薄暗闇の中で、不二先輩が何をしているか…手塚先輩にも見えたはず。
あたしの鼓動は早くなる。
『何…って、雷に七星ちゃんが驚いたから、守ってあげてるとこ…あ、これ手塚の仕事だった?ごめんね。でも、手塚いないんだもの。仕方ないよね』
クス…と不二先輩が笑う。