夏の幻*
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『どうして、手塚と…?』
不二先輩があたしの座っているテーブルの上に片手をついて、あたしを見下ろした。
『…怒られに…』
『…え?』
思いもよらない答えだったのだろう。
先輩を見上げるあたしを、真剣な顔で見ていた不二先輩は、拍子抜けしたように笑い出した。
『何それ。七星ちゃん何したの?』
くすくす笑う。
『…テニス…』
あたしは、ため息と一緒に言った。
不二先輩の笑顔が止まった。
また雨の音が耳に入り始める。
『…誰と』
『リョーマくんとダブルスを組んで…千石さんと日吉さんが相手』
『…その二人…キミのこと…』
『…だから、勝負をしたんです』
『…勝った?』
『もちろん』
あたしが、力強く言うと不二先輩も少し笑った。
『じゃ…倒れなかったんだね』
『………………うん』
『…その間は何かな?』
不二先輩が、無意味に、にこにこしてる。
『…試合中は倒れなかった』
逃げ腰のあたし。
『…試合後に?助けたのは誰?まさか越前…じゃ無理だよね、七星ちゃんを抱き上げられない』
一度離れた不二先輩の手が、再びテーブルに置かれた。