夏の幻*
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越前リョーマが缶を持って飲んでいると、幸村に上から覗き込まれ焦って缶を口から離した。
(むせるとこだったぜ…)
あわてて袖口で口をぬぐう。
「何スか?」
ちょっとベンチに座り直す。
「隣、いいかな?」
「どぞ」
幸村が座りやすいように横にずれると、リョーマは再び缶飲料に口をつける。
幸村は腰を降ろしたが、黙ったままだ。
「……」
「……」
「…何スか、幸村さん。俺これ飲んだら帰りますよ」
リョーマが缶を振ると、中の飲料水の音がチャプチャプ聞こえる。残りは半分くらいか…。
「…七星さんは…跡部と親しいのかな?」
「…そこそこ」
遠慮がちに尋ねる幸村に、当たり障りなく答えるリョーマ。
「…どこへ行ったのか…わかる?」
「そんなこと知ってどうするんすか?」
胡散臭げに幸村を横目で見る。
「気になるから…たまらないんだ。…あんな姿を見せられちゃ…余計」
萎(しお)れたように言葉を繋ぐ姿が、妙に痛々しい。
リョーマも七星のことを、軽々しく他人に吹聴する気はまったくないが、幸村なら大丈夫だ…となぜかそんな気がした。