125キロの加速 ナツのオトメ3*
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(え…)
気配に驚いて反対側に顔を向けると、小柄でサラサラの髪を切り揃えた人…向日さんが、フェンス越しにコートを眺めた。
あたしの視線に気づいたのか、向日さんもこちらをチラリと見た。
「どこ行ってたん? 岳人」
「立海のバスが着いたから、ちょっとメンバーを見て来た」
向日さんは、すぐあたしから視線を外してコートを見つめた。
「へぇ、来たんか。いよいよやな。こないな所で関東大会の前哨戦が見られるなんて、もうけもんや」
忍足さんはくく…と愉快そうに笑った。
そのうち、たくさんの足音と話し声が近づいて来た。
迎えに出向いたであろう手塚先輩や、大石先輩達と並んで、幸村さんや仁王さん達の姿が見える。
真っ先に幸村さんが、あたしを見つけて笑いかけたけど、一瞬にして物凄い複雑な表情に変わってしまった。
(…? どうしたのかな…?)
あたしは、なぜだろう…と様子を見るため、一歩下がろうとしたのに出来なかった。
真後ろに忍足さんがいて、しかも忍足さんは両手をフェンスにかけていて、あたしはいつの間にか、忍足さんの手の中の囲いにいたのだ。
そして、あたしの右横に向日さん、忍足さんの左後ろに跡部さん…。
この時点であたしは、完全に氷帝側の人間になっていた─