125キロの加速 ナツのオトメ3*
空欄の場合は夢小説設定になります
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
(10分余るな…)
越前は腕時計を見て考えた。
手塚の指示は『30分後に集合』だ。
七星は、思った以上に早く見つかった。すぐ戻っても10分の余裕がある。
七星がここにいる以上、他の連中は時間ギリギリまで捜して戻らない…。
「………」
「どうかした?」
急に、リョーマくんの歩く速度が鈍った。
「ラムネ 飲まないか?」
リョーマくんが足を止めると、振り返った。
「え…?」
「お前を捜して喉が渇いたんだ」
リョーマくんが、少し怒ったように言う。
「ご…ごめんなさい」
あわててあたしは謝った。
「そら、俺のおごり」
そう言ってリョーマくんは、あたしにラムネを1本差し出した。
「…ありがと…」
リョーマくんがおごってくれるなんて…どういう風の吹き回しだろ…。
ひんやりとしたラムネのビンに口をつける。炭酸の泡が、小さな花火のように弾ける。
道路際のガードレールに、二人並んで腰をかけてラムネを飲んだ。
「…10分経過」
リョーマくんがつぶやくと、ラムネのビンを返して、またあたしの手を取った。