「七星さん!?」
あたしが柳さんと、立海大の人達の所に行くと、幸村さんがとても驚いた。

「一体どこで…？」
あたしに近づきながら、幸村さんは柳さんに聞いた。

「あぁ、状況としては…青学の連中と知らずにはぐれた時に、俺とぶつかったんだ」

「はい、そうです」
と、照れながらあたしは答えた。

「そうか。それはこの人混みに感謝…だ」
幸村さんが、穏やかに微笑った。
「それから七星さん、その浴衣…とても似合うよ。君の可愛らしさが一層引き立っている」
幸村さんが、あたしをじっと見てそう言った。
（いえあの…幸村さん？なぜ人前でそんな歯の浮くようなセリフ…言えるんですか。もしかして…恥ずかしいのは、あたしだけなんでしょうか？）

「あ…ありがとうございます…」
あたしは小声で言うと、恥ずかしくて下を向いてしまった。

花火が次々と打ち上がる。

「本当は、君も誘おうかな…って思ってたんだ」
幸村さんが、花火を見ながらそう言った。
「そうだったんですか…」

もし…誘われていたら…？