125キロの加速 ナツのオトメ2*
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手塚先輩の隣から後ろの席に戻る途中、
「手塚と何を話したの?」
もう一度不二先輩に、腕を掴まれた。あたしは不二先輩を見下ろして言った。
「…本当は、あたしに好きな人はいない…って話です」
不二先輩に少し微笑んで見せた。
「──え…?」
「あたしには、彼も恋人もいません」
不二先輩の手がゆるんだので、そのままリョーマくんの隣に戻った。
夕暮れの迫る中、ようやくバスは青学に着いた。
疲れた体を思い思いに伸ばしながら、部員は次々とバスを降りる。
あたしは一番最後に降りようと思った。
そして椅子から立ち上がった時、不二先輩も立ち上がった。
「裏門で待ってるからね」
不二先輩は、振り返らずに言うと、先にバスを降りた。
(今の気持ちを正直に言うだけ言おう…)
それだけを頭に、テニス部の合宿解散式が終わる前に裏門へ向かった。
ほどなくして、不二先輩が姿を見せた。
「さっきの話。それが本当なら楽だよね?」
あたしの傍に来るなり先輩は言った。
「…え?」
「言ったでしょ、僕。『そろそろ覚悟してね』って。後は、君が僕に心を傾けるだけだよ」
あたしは桜の木を背中に、不二先輩の両腕の囲いに捕われた。