125キロの加速 ナツのオトメ2*
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「…俺は以前に、お前が俺を振り向くまで待つ…と言った。あの日聞いた言葉はお前の真実だと、俺は今でも思う」
前を見ていた先輩が、ゆっくりあたしを見る。
「お前が…幸村を本気とは思えない」
見透かされた…と思った。所詮、付け焼き刃と同じ…あたしは嘘を言っている。
人を傷つけている…。
自分が嫌になってきた。
「………」
ふぅ…と軽く息を吐くと、バスの天井を見た。
「そうです。嘘です。あたしは…まだ好きな人は、いません」
あたしは、手塚先輩に本当の気持ちを、もう一度言おうと思った。
「ただ…なぜかあたしの意思とは思わない方向へ、どんどん流れて行くんです。それが嫌で、直そうとすると…逆にずれてしまう…」
手塚先輩は、黙って聞いている。
「…この頃は、もうどうしたらいいのかわからないです……誰かが好きなわけじゃないですが…どの人も嫌いじゃないし…苦手はいますが…みんな…大切な人達に変わりはありません…」
言うだけ言った。
心が少し…軽くなった気がした。
「…そうか。やはりお前は変わっていない。俺も変わらない…これからも待たせて貰う」
手を離さず、手塚先輩はあたしに言った。