125キロの加速 ナツのオトメ2*
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「困るな、仁王。あまり俺の大切なひとに言い寄らないで欲しいな」
不意にコート側から現れた声の主はにこ…と微笑むと、あたしと仁王さんを見つめた。
「あ…悪いのう。可愛いもんじゃから、ついちょっかい出してしもうたぜよ」
仁王さんはパッと手を離すと、幸村さんに悪びれもせずにっこりと笑った。
あたしはあわてて幸村さんに体を向けると、
「こんにちは」
とお辞儀をした。
幸村さんは穏やかに微笑むと、あたしの頬に手を延ばし、髪や首筋を輪郭をなぞるように触った。
やっぱり幸村さんに面と向かって見つめられると、ドキドキする…。顔も赤くなってしまう。
「話を聞いたけど、熱を出したんだって…? もう大丈夫なのかい?」
「あ…はい、もうすっかり…」
あたしは、ドキマギしながら答えた。
「そうか、それはよかった…」
幸村さんはまた優しく微笑む。
「─で、誰に言い寄られて困っているんだって?」
そのままの笑顔で、あたしに突然聞いた。
「あ…不二先ぱ…」
虚を突かれたので、うっかり言いかけてしまい、あわててあたしは口に手を当てた。
「ふふ…やはり彼は君が好きなんだな」
幸村さんの瞳が、何かを考えるように翳(かげ)った。