125キロの加速 ナツのオトメ2*
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「………」
あたしは、全身から力が抜けてベッドに座り込んだ。
「…びっくりした…」
知らずにつぶやいた…。
カタカタと…体が小刻みに震えた。
怖かった…と思う…。
優しい…と思っていた不二先輩が…とてつもなく恐ろしかった…。
あたしは、いても立ってもいられなくなり、部屋から飛び出した。
少しでも不二先輩から離れたい──
やみくもに歩いた、と思ったけど…気がつけば見覚えのある道。
立海大練習用テニスコート…。
今は誰もいない…。
立海大も合宿が終わってしまったのだろう…。
フェンスに指をかけて、おでこをくっつける。
ぼんやりと風が吹き抜けるコートを見る。
「ガム持ってねぇ?」
「…え?」
覚えのある言葉に振り向くと…赤い髪の、あのガム少年が、にこにこして立っていた。
「あ…はい」
あたしは、ポケットからガムを取り出すと、ガム少年…丸井ブン太さんに差し出した。
「…3度目の正直だ…」
丸井さんは、目を丸くしてつぶやくと、手のひらのガムを見つめた。
「スタートしちまうぜ…」
「…え?」
丸井さんの、独り言のようなつぶやきは、よく聞き取れなかった。