125キロの加速 ナツのオトメ5
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だから手塚先輩とのやり取りで、敢えて九州へ行くとは伝えなかった。
(教えたら多分どこかで日程合わせようとして来ちゃうかもしれないし)
でも、もし万が一、ほんとーに万が一出くわしたら、こっちは家族旅行だし、先輩は療養だから邪魔したくなかった、というシナリオでいこうと計画だけは準備した。
「え? 七星ちゃんいないってマジ?」
千石が青学のコートに入ったとたん発した言葉がこれだ。
「ああ、ご家族で旅行だって聞いたよ」
大石が何事もないように淡々と答えるが、千石のガッカリ感は半端ない。
「哀愁の背中でしょうか」
「縦線が全身に入ってるです!」
「けっ!」
あまりに千石が落ち込んでしまい、部員たちも試合に影響が出ては困ると思い何とかしようとしたが、それらは全て徒労に終わったようだ。
「なんでいないんだ、七星ちゃん……」
それでも千石の無意識下に染み込んだテニスをするという行動に、幽霊のようではあったが辛うじてコートへと向かわせた。
「あれで試合できるのかにゃ?」
「どーなんすかねえ」
「なんとも言えないね」
(ま、自業自得っしょ)
心の中で舌を出し、越前もしれっと列に並んだ。
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