125キロの加速 ナツのオトメ1*
空欄の場合は夢小説設定になります
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
(う~どうしよう)
あたしは『カラマーゾフの兄弟』を手に取ると、合宿に持って行こうかどうしようか真剣に悩んだ。
天文同好会は、夜が活動時間になるから、昼に読書なんて出来るかなぁ…絶対昼寝しちゃうよね。
でも悩んだ末カバンに入れた時、幸村さんから『おやすみなさい』のメールが届いた。
あたしも改めて、今日のお礼と『おやすみなさい』を送った。
「んね、手塚、明日からでしょ?七星ちゃんがいる天文同好会の人達が来るのって」
菊丸がテニス部合宿所のペンションの食堂で、夕食を頬ばりながら隣の手塚に聞いた。
「ああ…」
短く答える手塚。
(『国光…さん』と夢見心地な七星から呼ばれて以来…俺は会っていない。
会いたい…顔を見たい…声を聴きたい…この手に触れたい…)
衝動に駆られる時もあるが、辛うじて踏み止まり、今の今までやって来た。
明日…会える。
顔がほころぶ…。
(明日か…。会ったら何て言おうか。…って、俺が思うほどあいつは考えてなんかいやしない…。のほほんと現れるに違いない。でも…あいつの顔…見たいな…うんと近くで…)
桃城達と談笑しながらぼんやりと視線を窓の暗闇に合わせ、リョーマは思った。
(やっと君に会えるね。でも君はいつも一人じゃないから…。二人っきりになるのは難しいね)
それに君は、他校生も惹きつけ過ぎる…。
くす…と笑う不二を見て、
「何がおかしいのさ、不二」
菊丸が絡む。
「明日の合同花火大会のことだよ。英二の案が、すんなり通ってよかったじゃないか」
不二が笑って言った。
「うん!でもさ、肝試しなら七星ちゃんが『英二先輩怖いわ~』って、しがみついてくれるでしょ?それが残念無念なんだよん…」
ハァ、とひとつため息をつく菊丸。
「何だ…そんなことを考えていたのか、英二は」
と、大石が言えば
「彼女が菊丸にしがみつく確率は5%だな」
乾も答える。
「大体、『英二先輩』って呼んでたっけ?」
河村が言えば
「さあ…」
関心なく海堂が受ける。
「うっ、ひどいよ。皆」
「英二、出る杭は打たれる…だよ」
また不二は、にっこりとした。
「みっ…!みぎゃーっ!!」
あわてて不二から離れる菊丸だった。
「ふう…」
明日の準備が整い、あたしは窓から空を見上げた。
(明日はもっとたくさんの星が見える…)
天体観測の前に、テニス部との合同花火大会だっけ…。
随分練習見てないな…。…元気…かな。あたしはぼんやりと、青学のコートで小気味良くボールを打ち返していたリョーマくんの姿を思い出していた。
fin .
続きは125キロの加速 ナツのオトメ2*へ