125キロの加速 ナツのオトメ1*
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日吉のため…つうよりも、俺は自分の好奇心で、あの子を見にわざわざ青学まで行ったんや。
実際見たら…色々話してみたい…そう思った。俺の言葉にどう答えるんか、反応が知りたい…。
ここへ来るまで、少しは話せた。あの手塚の彼女やのに、テニスは知らへん言う。よく野球選手が、全然野球知らへん子を嫁はんにするのと一緒やな。
もっと話したい…。
「日吉、練習続けな。彼女にええとこ見せるんやろ?」
ベンチから立ち上がると、忍足は日吉に言った。
「あ…。あの…じゃ、見ててくれる?」
照れながらも、日吉は七星に伝える。
「あ…はい…」
七星にすればそう言うしかなかった…。
「はい、こっち。おいでな。解説せなあかんやろ?」
忍足が、ベンチから七星を呼ぶ。仕方なくと言う感じで隣に座ると、ため息をつく。自然と下を向いてしまう。
「…ごめんな。無理に連れて来て…。ほんまは日吉やなくて…俺があんたと一緒にいたかったんよ」
つぶやくように忍足が言葉を告げた。
「…え…」
少し意外だったのか、七星は顔を上げて、ここへ来てからまともに見ていなかった忍足を見た。
「適当な時間になったらちゃんと送るよって、それは安心してな」
前を見ていた忍足は、七星の方を向くと、微笑んだ。
「あ…はい、よろしくお願いします」
七星は膝の上に手を揃えてお辞儀をした。
(…ちょっといい人…かな)
少しだけ、隣にいても安心出来る…と思った。
「…テニスは全然わからへん言うてたけど、今、練習してる中で誰が一番上手い…つか強いと思う?勘でええから言ってみてんか?」
「え…」
突然言われて困ったような顔をしたが、ぐるりと見渡し
「─あの人」
一人の人物を指差した。動きに無駄がなく、フォームが綺麗…七星の目にはそう映った。
「…跡部か…ええ勘してるな。うちの部長や」
「部長さんて、やっぱり強い人がなりますよね…?」
「ま、そらフツーはな。何でや?」
素朴な疑問を口にする七星に対し、忍足がやや不思議そうに答えた。
「…立海大の真田さんって強いですか…?」
「─あんた…テニス知らんのやないの?」
さらなる七星の疑問に、忍足が少し唖然としたような声を出した。
「せ…選手だけチラッと知ってると言うか…」
七星があわてるようにごまかした。
「まぁ、真田はトップレベルやな。実力も統率力も、遥か上や。…あんたの手塚でも、倒せるかどうかわからんで?」
(そんなに…?じゃその真田さんを抑えて部長をしてる幸村さんは…一体…)
七星の脳裏に穏やかに微笑む幸村の顔が浮かんだ。