125キロの加速 ナツのオトメ1*
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「んふ、裕太くんどうしました?調子出ないようですね」
聖ルドルフのテニス部テニスコート。
不二裕太が、木更津淳に惨敗してベンチに戻ると観月はじめが声をかけた。
「…………」
無言で汗を拭く裕太。
「困りますね、調子を上げて貰わないと…何か悩み事ですか?」
裕太の隣に腰を下ろして尋ねた。
「…わかったんですよ…自転車の彼女が誰だか」
タオルを顔に当てたまま、ボソリ…とつぶやく。
「あぁ!先日のとても可愛らしい方…よかったじゃないですか。裕太くん、一目惚れなさってましたからね」
観月はニコニコと笑い、裕太の肩に手を置いた。
「…よくない…兄貴の彼女だった…!」
タオルを握りしめ視線を下に落とし、あきらめきれないような、悔しいような…複雑な顔をした。
「…青学の不二周助の…!」
ちょっと驚いた表情を浮かべる観月だが…
(兄弟だから、好みのタイプが似るんでしょうか…)
「悲嘆に暮れることはないでしょう?裕太くん」
「…え…?」
何か思いついたような笑みを浮かべると、裕太を見た。
「人の心は変わるものです。自転車の彼女だって、不二周助が、一生の伴侶じゃないはずですからね。裕太くんにもチャンスはゴロゴロ転がって来ます」
「…え? どういう…」
「奪い取ればいいんですよ。不二周助から」
「ええっ!? そっ…そんなっ…何をいきなり…」
出来ませんよ…と真っ赤になりうつむく。
「テニスで奪い取るんですよ。試合で不二周助を完膚なきまで叩き潰せば…女性の心も変わったりするでしょ? 強い者には惹かれますからね、んふふ…」
「─……!」
ハッとする不二裕太。
「…そうか、テニスなら…例え兄貴だって…」
表情が一変し、俄然やる気を出す。
(んふ…面白くなりそうですね)
観月はニヤリ…と不敵な笑いを浮かべると、愉しげに不二裕太を見つめた。
「最近、千石さん妙に真面目っスね」
山吹中テニス部、テニスコートで室町十次が千石清純に聞いた。
「え~俺は元々真面目だよ?」
「いえ、千石先輩は何だか今までと目付きが違ってるです!」
壇太一も室町に同意した。
「そうか?」
とぼける千石。しかし…
(参ったな。あの子を越前から奪い取るために、練習メニューのレベル上げてるからな…やっぱバレるか…)
何が何でも、越前リョーマを叩き潰してあの子を手に入れる…。
(あの子の顔を見に、青学に行ってみるかな…)